今日よりいい明日はない
「今日よりいい明日はない」
これは、以前読んだ玉村豊男さんの本のタイトル。著者が以前ポルトガルを旅していてある青年から教わった言葉だそう。
ポルトガルっていうのは、はるか昔の大航海時代には栄えた国。だけど、やっぱり今は観光資源くらいしかない斜陽の国なんですね。
そういう国では、「無駄に未来に夢を描いて歯を食いしばって頑張るより、今やりたいことをやって毎日を精一杯楽しんで生きようじゃないか」、なんていう考え方にもなるのかもしれません。
「今日よりいい明日はない」、今の日本にもいえる言葉ですね。
岸田首相のいう「所得倍増計画」なんてなんだか虚しい……。国民全員が「昭和かッ!」とツッコミをいれたことでしょう。昔ちょっとだけ登山をやっていたので分かります。下り坂には下り坂の歩き方があるんです。
金融所得課税増税案、いったん撤回される!
その岸田さんですが、本日、フジテレビの番組で金融所得の課税強化について「当面は触ることは考えていない」と発言したんだとか。「成長なくして分配はない」。なのでまず、成長戦略を優先するのだそう。
これ、言ってること、これまでと逆。「分配なくして成長はない」と中国共産党っぽいこと言ってたのにね……。
まあ、いずれにしても、金融所得税の増税が一旦ナシになったのは朗報です。「当面は」なんてエクスキューズがついてるから、どうせ選挙対策でしょ、なんていう声もあがりそうだけど。
ただの「アリ」だと思うなよ〜
日本人の給料は30年間上がっていない。景気も悪い。そんななか、普通の人がお金持ちになる方法は以下の4つしかない。
- スキルや才能を磨いて起業する(含む・ユーチューバー)
- 投資をする
- お金持ちと結婚する
- 親の財産を相続する
それで、このなかでいちばん誰にでも挑戦できそうで現実味があるのは、やっぱり2番目の投資。そこで最近は、私も含めて日本人もやっと少し投資に目覚めたわけです。だって「今日よりよい明日はない」、このまま働き続けていても明るい未来が自動的にやってくるわけじゃないもんね。
特に若い人の間では「FIRE」がブーム。
Financial(財政上)Independence(独立)Retire(退職)Early(早期)
の4つの言葉の頭文字をとってFIRE 。つまり、なるべく早く会社に頼らず経済的自立を果たし、残りの人生を好きなことをやって生きようというライフスタイルです。
単なる早期リタイアと違うのは、そのための資金を投資で作ること。
投資でお金を作るなんていうと「一発当てるんかい?」と思う人も多いかもしれないけれど、「FIRE」を目指す若い人たちはもっと堅実。
なにしろ「FIRE」のノウハウはこの2段階
- 月々ギリギリまで節約して少ないお給料からできるだけ投資に回す
- その投資も一攫千金狙いじゃなくて、毎月コツコツ、米国株とか全世界株とかのインデックスファンドに積み立てる
で、積み立ての複利効果で遅くも20年後くらいには億り人になろうという計画。
イソップ童話の「アリとキリギリス」のアリさんですよ! しかも、ただのアリさんじゃありません。
その昔絵本で見たのは、冬場の食料に困らないように夏の間にコツコツ食べ物を集めるだけのアリでした。けれど、集めた食べ物を穴蔵にしまっておくだけじゃ、今の日本の経済状態では一生報われない。だから、集めたものを賢く運用。今はガマンで、将来キリギリスのようにバイオリン抱えて楽しく陽気に過ごそうじゃないかというわけです。
いやぁ、今の若い人は立派。私の頃はバブルだったから、まわりは全員「今日よりよい明日」を信じる人ばかり。みんながキリギリスで、しかも天才バカボンのパパのように「これでいいのだ!」と信じてた。
私なんか、そのツケが回ったのよね〜。
長くなりましたが、言いたいのは、岸田首相の金融資産増税案は、そうやって若い人たちがせっかく見つけた「お金持ちになれるかもしれない機会」を奪うこと。ただでさえ安月給で希望が持てない若い人を、再び闇に落としてどうする! ってこと。
だいたいですよ。国に頼ったってどうせ最後は「自己責任」とか言うんでしょ。だったら、最初から自立して自分の力で生きていくしかない。
そうやって人生かけて資産を作ろうとしている人を潰そうとするなんて、ホント、習近平と同じじゃん(怒)
さて、この金融資産増税案の「当面」撤回で、明日の日経平均は多少上がるんじゃないか。ただ、暴落危機は消滅していない。お花畑はあと1〜2週間しか続かない予感。がんばれ私、負けるな私。