「ユニクロ」無人便利レジの特許を巡って
昨日、こんなニュースが流れました。
問題となっていたのは、ユニクロで導入されている、無人会計レジ。商品のタグを一つひとつ読み取ることなく、レジの凹んだところにカゴごとまとめて置くだけで計算してくれる画期的なシステムです。私も最初使ったときは、あまりの便利さに感動したなぁ。
そのレジを開発し特許を持っていたのが、「アスタリスク」というIT系ベンチャー企業。ユニクロ(ファーストリテイリング)が行ったレジのコンペにこのシステムを提案したところ、ユニクロ側は、なんと、アスタリスクの提案を不採用にした上で、システムだけをこっそり自分たちで実用化させちゃった。
そりゃ怒りますよね。アスタリスクは、ユニクロを相手に特許侵害で訴訟を起こし、この5月に勝訴。だけど、ユニクロ側はそれを不服として最高裁に上告。で、今回それが、和解にいたったというお話です。
最初の告訴に至るまでは、何カ月も話し合いの場が持たれたそうです。アスタリスクにとってユニクロは、他の商品の取り引きもしていて、大切なお得意さまでもあったからです。だけど、この記事↓にあるようにさんざん話し合ったあげく「ゼロ円でライセンスを提供してくれ」と言われて、ついにアスタリスクの社長さんがブチ切れたんですね。
リアル「下町ロケット」の痛快ストーリー、最終章は相場で起こる!
大企業相手に泣き寝入りせず戦った「アスタリスク」
下請け企業のアイデアをパクっておいて逆切れの「ユニクロ」
この構図から、まるで「下町ロケット」みたいと話題になったわけです。
ちなみに、5月の特許訴訟に勝った「アスタリスク」ですが、裁判の過程で問題の特許は知財ライセンス企業に譲渡。その上で長年の悲願だったという株式上場を11月に果たしています。
ユニクロは、ウイグルの人権問題でこのところ一部で不買運動も起きています。そんなこともあって、今回は和解とはいえ「巨悪が成敗された!」感が強いですね。
というわけで、月曜のマーケットでは、〈6522〉アスタリスクの株価は爆騰。〈9983〉ファーストリテーリングは売り叩かれることでしょう。ファーストリテーリングは日経平均寄与度が高いから、日経平均が下がるのはつらいけど……。