莫大な利益というものは素晴らしく、そしてちょっと切ない…のね
相変わらず原油・天然ガスが高騰中。
そんななか、アマゾンプライムで映画『BIG MEN』を観た。これは、過去記事にも書いた米・独立系石油会社の〈KOS〉コスモス・エナジーが、アフリカ・ガーナ沖で石油鉱床(ジュビリー油田)を発見し、実際に掘削・生産にこぎつけるまでのドキュメンタリー作品。
こうかくとNHKの『プロジェクトX〜挑戦者たち』みたいな感動ストーリーかなと思うけど、いや、なんか壮絶……。
石油ビジネスって、欲と欲の闘いなんですね。
それはそう、目がくらむような莫大な利益を生み出すんだから。
映画のなかでは、かつてアフリカ最大の産油国だったナイジェリアの現状も描かれていたけど、利益の大半を汚職政治家がぶん取り、ナイジェリアの人々はちっとも豊かになれなかった。
それどころか、怒った市民が武装化して石油のパイプラインを襲撃したり、貧しい子どもたちが、パイプラインから石油を抜き取る犯罪で家計を助けるしかなくなったりで、ますます荒廃と貧困が進んでしまったという。
映画のなかでは、「飢えた人が大勢いる牢獄に一斤のパンを投げ込んだらどうなるか?」という言葉が使われていたけど、まさに、その答え通りの悲劇が起こったということ。そんなわけで、アフリカでは「資源は呪い」とさえいわれているそうです。
タイトルの「BIG MEN」は、この映画のなかでは「お金持ち」を意味します。投資の世界でも、BIG MEN目指して資源が生み出す富に買い手がむらがる。〈KOS〉コスモス・エナジーの株を保有している私だってその一人。資本主義って、ちょっと切ない。