石田衣良の小説『波の上の魔術師』(文春文庫)を読む。
ニートの青年が、ある日不思議な老人に声をかけられ、徹底的にマーケットの世界を仕込まれる。そして、最後には庶民を苦しめる巨悪の銀行をマネーゲームで倒すという爽快経済ミステリーですよ。
ナゾの老人が青年に目をかけたのは、彼が「まだ金を作っていない金持ち」に見えたからだそう。この言葉、いいですね。
そういえば、バブルの頃……。
「まだ小説を書いてない小説家」っていう人が、いたっけな。
「相場をやるなら、一流の身なりをしろ」と、高級テーラーで上から下までビシッと決める青年の姿に胸踊る。こういう変身、大好物デス。
その昔、英会話の勉強をしていたとき、こんな言葉を知りました。
Fake it till you make it.
そうなるまでは、そうなったフリをしろ。
まずカタチから入って、「そうなった」と自分を思い込ませる力。これって大事。
私はどんな人になったフリをしようかな?
年はとっても、夢はある!